どんなに走っても少年の息は切れることはありませんでした
でも ウサギも見当たりません
少年が不安を感じ始めたとき 前方の茂みが揺れるのが見えました
「近道はこっちだったか?」
声とともにそこから飛び出してきたのは あのウサギでした
「見つけた!」
うれしくなった少年はさらにスピードを速めましたが
ウサギはそれよりも早く駆け抜けていきました
走れば走るほど その差はひらいていって
とうとう姿を見失ってしまいました
さすがの少年も疲れた様子で足を止めます
「…大丈夫 また見つけられる!」
道は一本道です この道を行けばたどり着けることを信じて
少年は諦めませんでした
そしてまた 一歩一歩進んでいきます



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