いくら進んでも森は深くなるばかりで 何もありません
ウサギの姿も見当たりません
「なんだ 違ったの」
「あ!」
木の上から笑い声がしてそちらを見ると
あのときのネコがいます
「知ってるって言ったじゃないか!」
「しってるけど しらないって言ったよ」
「だから何なんだよ」
「ウサギはしってるけど 君の探してるウサギかどうかはしらない
 ってこと」
「何それ…」
少年は疲れた顔をして 肩を落としました
「じゃあ頑張ってね」
「何を今更…」
「この森は君の行きたいところに通じるはずだよ
 全ては君しだい」
「え…」
「ばいばーい」
「あ! ちょっと待ってよ!」
少年がとめるのも聞かずに ネコはまた消えてしまいました
1人残された少年は ネコの言葉を信じて
先を目指すしかありませんでした



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