もうどれくらい落ちているのか 少年はだんだん眠くなってきました
ぼんやりと この星の中心まで落ちたかな とか
反対側に出たらどうしようとか 考えていましたが
突然視界が広くなり 地面が近づきました
先程まで落ちていたのが嘘のように 無事着地すると
そこは 何かの部屋のようでした
真ん中のテーブルには 少年を見て笑う ネコがいます
「お客さんだ 何しにきたの?」
「ウサギを探してるんだ 知らない?」
「しってるよ でも しらない」
「何それ 知ってるなら教えてよ」
「いいけど あとで文句いわないでね」
そういうと ネコは金の鍵をわたしました
「そこの扉をあけて そのさきにいるよ」
「こんな小さい扉入れるわけないじゃないか」
確かに 扉は少年の身長の3分の一ほどでした
「文句いわないでっていったのに しょうがないな」
ネコはしぶしぶ クッキーを一枚わたしました
「これ食べたら入れるかもね」
「わかった」
少年がそれを口に入れると みるみるうちに体が小さくなっていきます
あわてて小さくなった自分の背丈くらいになってしまった鍵をとり
やっとの思いで扉を開けて 部屋を出ました
「よい旅を」
ネコは笑って姿を消しました



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